ウォンテッド

『ウォンテッド』   ★★★☆☆



新しくないようで新しいCGバリバリのバイオレス・アクション。かなり『マトリックス』な映画だ。


CGバリバリのアクションばっかりで最近のハリウッド映画はつまらない、とはロクに映画を観ない大バカ野郎がよく言うセリフだが、
本作もかなりCGにあふれたアクションを魅せてくれる。

超スローモーションで弾丸の軌道を見せたり、銃をとんでもない格好で撃ったりするのは亜流『マトリックス』の大量生産ですでに飽きられているが、
本作のはキチンと新しい。「新次元へ」の宣伝文句もあながち嘘ではないだろう。
特にキメ撃ちをするときのポーズがかなり決まっていて、凄くカッコイイ。
この辺はアンジェリーナ・ジョリーの独壇場だ。このお姉さんはバリバリ運動ができる人じゃないが、こういったカッコウつけて銃を撃つのが非常によく似合う。
『Mr&Mrs.スミス』や『トゥームレイダー』の時は銃の構え方や走ったりするシーンで運動神経がよくないのが目に見えていたけど、
今作では漫画チックなアクションが多かったので全然気にならなかった。
さらには、マカヴォイ君を蹴ったり殴ったりで虐めまくりサービスなので、世界中のM男さんはさぞかし満足だろう。


マカヴォイ君は前半のダメ男ぶりが凄い似合う。あの情けない感じが素晴らしい。
スパイダーマン』のトビー・マクガイアも真っ青のダメっぷりに拍手を送りたい。まぁ地の部分もあるだろうけど、演技うまいなぁと感心してしまった。
アクション初挑戦とあって銃を持って主導権を握り始める後半は、アンジェリーナ・ジョリーに食われてしまってる気がする。
でも、あの少しぎこちないアクションが逆に初心者アサシンっぽくて良かったと思う。


(こっからネタバレ)

お話としては、中盤まで完全に『マトリックス』。ダメダメサラリーマンが突然美女に出会って、才能を開花させるといった話。
嫌な上司と友人に別れを告げた後、サングラスをかけて「やっぱやめとこ」と言うシーンには笑わせてもらった。
近年のアクション映画のオマージュが結構入ってて、さっき挙げた『マトリックス』の他に、終盤の次々と敵を全力で走りながら倒す『リベリオン』とかもある。


中盤までは凄く良かったのだが、後半はダレる。そしてかなり急な展開で終盤に突入する。
ラストのザコ敵を一掃した後、1人1人暗殺の先生を倒していくシーンとかは王道でおいしいのに、展開が急すぎてイマイチ燃えなかった。
対ジョリ姉戦は凄く良かった。ここで曲がる弾を使うのか!ってくらい綺麗に決まってた。

が、ラスボスのモーガン自由人(フリーマン)に全然魅力が無いので、最後もあっさり終わる。
ラストは若干アッサリすぎたかな〜と。でもモーガンさんの絶命時の顔がえらい面白かったので許す。


オマケ

モーガンさん絶命時の顔

何度見ても笑ってしまう。
おでこがちょっと盛り上がってるのもポイント。


暗殺者になる前のマカヴォイ君

ナルニアが人間によって滅ぼされるまではこんな姿でした。
まじでタムナスさんの印象が強すぎるぜこの人・・・