パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』   ★★★☆☆

カリブの海賊シリーズ第3弾はなんと上映時間3時間。とにかくCGが凄すぎる。

(今回は完全ネタバレ記事です。注意してください。)


やっぱ今作の目玉は、シンガポールの海賊王サオ・フェンでしょう。演じるのは「男たちの晩餐」で華麗な2丁拳銃を見せ付けて、世界中でブームを巻き起こしたチョウ・ユンファです。
つまり、「マトリックス」のガンアクションも元ネタはコイツなわけですよ。

で、モチロン「ワールド・エンド」でもカッチョイイ2兆拳銃さばきを見せてくれるのかと思ったらロクな出番も無いまま…
女をレイプしている最中に突然大砲で吹き飛ばされます

これはかなりガッカリしました。だったらサオ・フェン役にこんな大物使う必要ないじゃん。チョウ・ユンファもこんな役引き受けるなよ。

やっぱ金ですかね?

予告編見た限りでは「2作目で大量の回収損ねた伏線を回収しながら悪い奴らと大戦争やってハッピーエンドかなぁ?」と思ってたんですが全然違いました。
「デッドマンズ・チェスト」でも目に付いたこんがらかったストーリーはさらに発展し、???状態。

我々観客が楽しみにしてた前作からの伏線
ジャックはどうやってクラーケンの腹の中から出たのか?は結局何の答えもありませんでした。
まぁ一応分かりにくいですけど前作のほとんどの謎は説明がつきます。

だけど、「ワールド・エンド」で謎はもっと増えます。
もっとも?だったのは「カリプソ」。コイツは何者でなんで海賊達は昔コイツを人間の体に封印してしまったのか?で、何で今更こいつを解放しようとするのか?
バルボッサが「コイツが最後の切り札だ」とか言ってますけど、何で昔に恨みを買ったやつが最後の切り札なんだ?助けてくれるわけねーだろうよ。
でも、何だか良く分からない助け方をしてくれます。

つーかクラーケンは何故死んだの?

あの白い蟹ってなんだったの?

この謎は結局分からずじまいでした。

それと相変わらずストーリーは凝ってるんですがホント分かりにくいんですよね。ジャックが敵になったり見方になったり、それぞれのキャラクターのやりたいことがみんな違うから船を借りるだとか、こいつは俺が連れて行くんだ。見たいな話が中盤延々と続くんですよ。
こういう娯楽大作系の映画はストーリーは分かりやすく、見せばは派手に作るって言うのが基本だし、それが最も理想的だと思うんだけどなぁ。
この映画の場合海賊達が皆で集まって一丸となってウォー!って悪い奴らと戦争すればいいのに…。
まぁ最後はこういう展開にって最後に「みんな一丸となって戦おう」的なスピーチをするんですが、演出力が弱いのか感動が伝わってきません。
ロード・オブ・ザ・リング」でアラゴルンがローハンの王が死を覚悟しながらも仲間のために戦う時とは明らかに演出力が違うのです。
コレはやっぱり監督の力量なんだと思う。もともと監督のゴア・ヴァービンスキーは「ザ・リング」のおどろおどろしい雰囲気で評価された人だからその手腕がこの映画では発揮できてないだろうなぁ…。

それでもCGを使ったアクションシーンは迫力満点。
このCG技術はいままでの映画の最高峰であることは間違いないでしょう。
だけど、アクションシーンのほとんどが船の1対1のバトル。アクションシーンにバリエーションが無くて終盤は「もういいよ」状態。海賊の王様も活躍させてほしかったな。
結局最後も1対1で僕が期待してた海賊船VS軍艦の戦争シーンはありませんでした。